本学教員らの遺伝子発現/機能予測の大規模プロファイリングに関する研究成果が国際科学誌に掲載されました

更新日: 2020年03月10日

本学機械電気工学科 来須孝光 准教授、東京理科大学、京都産業大学、国立遺伝学研究所等によるバイオインフォマティクスに関する共同研究成果が、Frontiers社が発行するFrontiers in Plant Scienceオンライン版に、3月6日に掲載されました。

論文タイトル:
「Impact of autophagy on gene expression and tapetal programmed cell death during pollen development in rice」

Frontiers in Plant Science WEB
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2020.00172/full

概要:
オートファジーは生物に広く存在する生体分子や栄養のリサイクルシステムであり、我々の主食であるイネの花粉・種子形成に必須であることが判明しています。一方、生物は数万個にも及ぶ遺伝子の発現を絶えず制御しながら、代謝活動や生長、そして分化に反映させ環境に適応しています。
本論文では、次世代シークエンサーによるRNAシーケンス、そして複数のバイオインフォマティクス解析手法を用いて、約32,000個におよぶイネ全遺伝子の大規模発現変動を網羅的に解析し、花粉形成過程の遺伝子発現/代謝ネットワーク制御におけるオートファジーの関与を明らかにしました。本成果は、栽培イネの花粉発達の新たな仕組みの解明だけでなく、将来的にオートファジー制御による作物の細胞内有害物質の低減化への活用が期待されます。詳細はオンライン論文をご覧ください。

付記:
本研究の一部は、科学研究費補助金 基盤研究(C)、住友財団基礎科学研究助成などの援助により行われました。

図の説明:
A:イネ花の構造
B:花粉発達時のイネ葯における遺伝子群の発現変動パターンとクラス分類
C:矢印は、オートファジーの機能消失により生じるパターン変動(クラスター移動)を示す。線の太さは遺伝子数を反映している。

来須研究室のページ
大学公式ページ:https://www.sus.ac.jp/teacher_cat/met/