本学修士課程学生が筆頭著者の論文が学術論文誌に掲載されました

更新日: 2023年10月03日

本学での卒業研究と修士課程での研究内容をまとめた、本学大学院 工学・マネジメント研究科 修士課程2年 田中駿佑さん(橋元研究室所属)が筆頭著者の共著論文が、査読付き研究論文として以下の学術誌に掲載されました。

 

著者:田中駿佑、橋元伸晃

論文タイトル:一側性難聴者への危険方向教示手法の研究

電気学会論文誌 C(電子・情報・システム部門誌)

IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems

2023年Vol.143 No.10 pp.1011-1016

DOI: 10.1541/ieejeiss.143.1011

 

本論文は、学生自身が新規で発案した研究テーマを、全くの手探り状態から卒業研究として研究を開始し、以降修士課程に至るまで一貫して2年間、その研究を丁寧かつ精力的に深化させてきた研究内容を論文化したものです。この度、電気学会からその独創性と有用性が認められ、研究論文として電気学会誌への掲載の栄誉に浴したものです。

 

(本研究背景および研究の意義)

健常者は、両耳それぞれに到達する聴覚信号の時間差で、聴覚情報の発信源の方向を瞬時に理解しますが、片耳が難聴の方はそれができないため、特に危険が身に迫っている際に、その方向を聴覚だけで瞬時に理解することができず、自身の安全に大きな不安を抱えながら生活をしています。

片耳が難聴の方は、日本国内だけでも30万人いると報告されていますが、本研究は、これらの方々に危険が迫ってくる方向を教示する、全く新しい概念のシステムです。

本研究では、失われた片耳の聴覚情報をアシストするために、危険が迫った時に頭部に取り付けられた前後左右4方向に向けられた指向性マイクによる受信信号を、その直下に存在する4つの電極それぞれで、微弱な電流を皮膚に流せるようにすることで、正常方耳の聴覚情報と4つの方向からの危険音を皮膚電流刺激情報として脳に伝達し、脳でそれらの情報を再合成させ、危険方向を脳に認識させようとする斬新な研究です。本論文ではその研究内容に独創性と有用性があることが認められました。

現在、研究室では本研究をウェアラブル機器化する研究を継続的に進めており、その機器化の研究が完成した暁には、片耳が難聴の方に日常生活の安全・安心という大きな福音がもたらされることになることになるものと考えられます。

 

(筆頭著者 田中駿佑さんのコメント)

この度は、私が自分で提案し卒業研究と続く修士研究で取り組んできた研究内容が、学術論文として世の中に認められ、大変に嬉しく、名誉に感じています。一日も早く、私が研究してきたこの研究を完成させて、本研究の成果によって、片耳難聴の方が日常生活で抱えている危険を回避できるようになり、安心・安全な生活をおくることができるようになることを強く願っています。

 

(知的財産)

特願2022-191518「危険方向教示ディバイス」発明者 田中駿佑、橋元伸晃

 なお本特許は、本学大学院 特許リテラシー特論講義の最終課題である自筆明細書を筆頭著者本人が特許出願したものです。

 

以上