年頭の言葉

更新日: 2017年01月01日

新しく生まれ変わる大学への準備の年

学長 河村 洋

 

学長 河村洋

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年の元旦、わたしは諏訪大社に初詣をして、本学の公立化への協議が順調に進むことを祈願しました。そのころは、諏訪圏の6市町村、長野県と学校法人東京理科大学の間の協議がちょうどスタートしたばかりでしたが、幸いその後の一年をかけて協議は順調に進行し、本学を公立大学に移行させるという基本協定が締結され、現在は、公立化の時期を平成30年4月1日として様々な申請の準備などを進めています。

 公立大学になるに当たっては、ただ大学の設置者を学校法人から自治体に変更するだけでなく、大学自身が変わることが求められています。この諏訪地方は、国内でも有数のものづくり中小企業の集積地です。そのためこの公立化計画を立案するに当たっては、ものづくりと情報通信技術の工学系教育を中心に置きながら、本学の伝統である工学と経営学の融合教育を継承して工学系の学生にマネジメント教育を施す構成としました。

 この構想はすでに数年前から準備を進めてきたものですが、ちょうど昨年は、「アルファ碁」が世界的な囲碁棋士に勝って人工知能の進歩が示されたり、IoTという言葉が広く一般にも広まったりして、この構想も時代の流れと一致して世間にも理解されやすくなりました。

 もう一つの大きな課題として、グローバル化対応があります。これについては、昨年米国の新大統領にトランプ氏が選ばれ、グローバル化の時代から再び国家と民族の時代に戻りつつあることを示唆しているようにも見え、今年はこの点を十分に注意しなければならないと思っています。

 新しい大学の名称は、「公立諏訪東京理科大学」とする方針が決定されています。これは、公立化した後も、東京理科大学の伝統を受け継ぐばかりでなく、今後も協力関係を継続してゆきたいという地元自治体の要望の表れです。今後とも東京理科大学からのご支援を頂きたいと存じますし、我々も教職員と学生諸君が共に力を合わせて、新しい大学のへの移行に向けて着実に前進して行く年にしたいと思います。