飯田 洋市教授 Yoichi Iida

教員紹介

研究キーワード

自治体評価、経営科学、意思決定論

研究内容

AI時代だからこその、人間社会における集団合意形成のための意思決定手法の開発を目標に研究をしています。ここ数年は、階層分析法を活用した住民の意見を生かした自治体評価を主題に研究しています。
階層分析法は、1970年代にトーマス・サーティにより創始された直観や経験を生かした意思決定手法です。いわゆる一対比較法を活用し、直観や経験を定量化することで、最小二乗法や固有値・固有ベクトルなどの数学手法を駆使して、よりよい決定をするための手法です。
この階層分析法の考え方は、たとえば行政評価におけるロジックモデルに通じるものがあると考えています。ロジックモデルとは、まず大目標となる中長期的なアウトカムを設定し、それを達成するためのアプローチをバックキャスティング的に考えるものです。
定量的な評価はもちろん重要ですが、住民の意見などの定性的な視点を取り入れることで、豊かな社会あるいはコミュニティを作ることができると考えています。

研究から広がる未来

AI時代が深化していくと、コンピュータが最適解を算出してくれる時代になると考えられます。このような時代は便利である一方で、ややもすると人間が考えることをやめてしまう時代になってしまうかもしれません。人間社会である以上は、最後に決めるのは私たち人間でありたいものです。 ところで、コンピュータは数値しか扱うことができません。そこで、人間の価値観などを数値化することができれば、AIをうまく活用できるようになるかもしれません。もちろん、個人の価値観を数値化することも重要なのですが、社会としての価値観を決めるために、集団や組織としての価値観を数値化することはもっと重要なことです。 もしそれができるようになるとするなら、人間がAIをうまく活用できるようになったことになります。このような過程を経ることで、一人一人の人間がより自分らしく生きることができる、豊かな人間社会を作ることができると考えています。

研究室の様子

研究室には、数学の各分野をはじめ、経営学、心理学、評価学、教育学など幅広い本がそろっています。学生たちが自分たち目線で、自由な発想を育ててほしいと考えています。一方で、大学は学問的な視点を育成するところだとも考えています。論文や書籍の知識をベースにした議論ができる環境づくりを大切にしています。

メッセージ

本学における数学教育は「応用数学」を中心に据えています。微分方程式、複素関数、フーリエ解析、ベクトル解析です。このための基礎教育として、微分積分学や線形代数学を位置づけています。もちろん、これらに統計学なども加わります。これらの数学に触れることで、専門科目をより深く理解することを目標にしています。このような学問ベースで社会を見る目を養いましょう。また、数学をベースにした集団合意形成について、一緒に学びましょう。

リンク

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