深谷 将講師 Sho Fukaya

教員紹介

研究キーワード

エコインフォマティクス、データエンジニアリング、教材開発、ウイルス

研究内容

生物の相互関係や生態について、様々なシステムの開発研究を行っています。
例えば地図情報システムを利用して、より簡単に生物データを収集するためのシステムを開発しています。生物多様性の調査や保全には、より多くのデータが必要です。開発したシステムは、高校生による桜の調査に利用し、役所とも連携して害虫の防除に活用しています。また収集したデータを解析して分かりやすく表示することで、生物多様性について楽しみながら学ぶ仕組みの研究も行っています。
より生物学的な研究としては、顕微鏡下のアメーバの行動を解析するシステムを開発しています。ウイルスに感染したアメーバに起こる、形状や行動の変化を長期的に解析することで、アメーバの防御戦略やウイルスの感染戦略などの相互関係を明らかにできます。また観察に用いる位相差顕微鏡は、一般的な画像解析とは異なる手法で解析する必要があるため、技術的にも面白い研究になっています。

研究から広がる未来

スマートフォンなどの情報端末は広く普及し、一人一台の情報端末が配備されている中学校や高校も多くなりました。またクラウドコンピューティングの普及により、小規模なサーバーを低コストで利用できるようなりました。このような情報技術を組み合わせると、より多くの人や物からデータを収集するためのシステムを、簡単に開発することができます。現在は、生物の多様性や保全に関するデータを収集・活用するシステムを中心に開発していますが、様々なデータに最適化したシステムに応用できる可能性があります。特に予算や時間が限られる学校教育の現場において、大きな可能性を秘めています。 また位相差顕微鏡はアメーバの観察だけでなく、様々な生命科学の実験で使用されています。研究室には生命科学の実験設備はありませんが、解析システムの開発によりウイルスの研究に貢献できるほか、細胞診のような医療や生命進化の研究に広がる可能性があります。

メッセージ

データを扱うシステムの開発には、対象を観察して、構成するデータの構造を見極める能力が必要です。これは研究に関するシステムだけでなく、どのようなシステムの開発においても重要な能力です。また実用できるシステムを開発するためには、端末・通信の制限や、使う人の属性に合わせたUXデザインなども考える必要があります。このような課題を解決し、様々なデータを活用するためのシステムを開発できる研究室を目指しています。

リンク

工学部情報応用工学科

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