山口 武彦准教授 Takehiko Yamaguchi

教員紹介

研究キーワード

Virtual Reality (VR),Mixed Reality (MR),Diminished Reality (DR),行動信号処理,生体信号処理,運動・行動モデル,身体化中心設計,感覚・知覚・認知体験設計,プロテウス効果,身体化認知,仮想食,感覚マーケティング,適応的仮想環境,快適性モデル,デジタル治療薬,軽度認知障害(MCI),無症候性神経認知障害(ANI)

研究内容

本研究室では,「実世界と仮想世界の社会活動の高度な融合による新たな文化・経済圏の創発と持続可能な社会の実現」をビジョンとして,現在は主に仮想世界における社会活動の日常化と体験価値の向上に着目して研究を進めています.
具体的には,①仮想身体,および仮想空間の設計理論に関する基礎研究,②仮想世界における心理・行動・生理的特徴の工学的モデル化に関する基礎研究,③仮想世界における社会活動のバリエーションの向上に関する応用研究を進めています.例えば,①では,仮想身体の見た目や振る舞いがヒトの行動に影響を与えるプロテウス効果,空間の在り方や感覚体験がヒトの意思決定等に影響を与える身体化認知に関する研究,②では,VR・MR体験におけるマインドワンダリング,フロー状態,および快適性の工学的モデル化に関する研究,③では,医療(MCI早期発見,MCI早期治療介入,ANI早期発見,デジタル治療薬など),オフィス,マーケティング分野への応用研究などを進めています.

研究から広がる未来

VRは,「仮想現実感」と訳されることがありますが,本来は「人工現実感」であり,「現実に在る」という感覚・知覚・認知体験を工学的に実装することを目指した技術です. つまり,実世界を写像した世界から想像上の世界に至るまで,「そこに自分(あるいはモノ,空間)が存在している」という感覚を作り出すことを可能とする技術であり,様々な分野に応用が可能な非常にフロンティアな分野です.「そこに在る」という感覚を高度に生起できれば,実世界の他に身体性を伴った複数の世界を実装でき,「自分」という存在を複数存在させたり,他人から見える「自分」も他人に見えてほしい自分に変化させたりなど,多様な社会の構築が可能となります.もちろんヒト以外の他の生物やモノや空間にもその変化を作用させれば,より適応的な社会の実現が可能となります.

WEBオープンキャンパス動画

当研究室のWEBオープンキャンパスの動画が見られます。

研究室の様子

研究室では,学部3年生から大学院生まで,学年の垣根を越えて共に学びあう雰囲気づくりを大切にしています.また,コロナ禍ではしばらく中断をしていましたが,海外の共同研究先の大学(フランス,アメリカ,スウェーデン)への短期留学を支援したり,5月~8月にかけては,フランスからの留学生を受け入れてProject Based Learning(PBL)という短期のプロジェクトを行ったりなど国際交流を通して英語力の向上にも力を入れています(※希望者は英語で研究の指導を受けることもできます).さらに研究室独自の進捗管理やタスク管理システムを導入しており,研究活動を通して様々な経験を積むことができます.

メッセージ

VRやMRが実現する世界では,そこに存在する身体や空間に新たな定義が必要となり,その上でどのような体験をデザインするのかを考えることが重要となります.
本研究室では,技術だけでなく,「身体とは何か?」,「空間とは何か?」,「体験とは何か?」などと言った基本的な問いに対して哲学するマインドを持つことを重要視しています.
そのような視点を研究を通して磨いて見たいという方は是非見学にいらしてください.

リンク

工学部情報応用工学科

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