年頭の言葉

更新日: 2016年01月01日

改革に向けて1歩1歩前進する年に

学長 河村 洋


 新年明けましておめでとうございます。昨年は、東京理科大学の大学院を修了された大村智先生がノーベル賞を受賞されました。大村先生は、諏訪からはごく近くの韮崎のご出身です。馬場錬成先生の書かれた大村先生の伝記を拝見すると、何事にも全力で当たるこの甲信地域の人々の気質が感じられて、大変力づけられる思いがしました。

 また昨年は、地方の持つ役割に大きな関心の寄せられた年でした。このままではたくさんの地方都市が消滅する懸念が指摘されて、地方を活性化することが我が国の活力を維持する上で欠かせないことが広く認識されました。“地方”の復権です。その中で、地方にある大学の役割が、大きく見直されました。大学は、若者を集めることが出来ます。そして、地方の産業や文化にも力を与えることが出来ます。しかしながら、多くの地方大学とくに私立大学は、人口減少の影響を直接に受けています。私たちの諏訪東京理科大学も、例外ではありません。そこで、学校法人東京理科大学では、法人内のみならず関係自治体ともご相談した結果、本学がよりこの地方に若者を集め、かつ一層の貢献をして行くには、公立大学に転換するのが最善であると考え、地元茅野市を初めとする関係自治体に、そのための協議を開始していただくよう要請致しました。これを受けて昨年末には協議会を発足して頂き、年明けからは地元の声をより広く聞く懇談会も発足して頂くことになる予定です。今年は、私たち諏訪東京理科大学としても、地元の期待に応えられるように、体制を整え、教育と研究に一層の力を入れて行かなければなりません。

 今年は、数えで7年ごとに行われる諏訪大社の御柱祭の年に当たります。太い御柱が、たくさんの人々に引かれて「よいさ、よいさ」というかけ声と共に1歩1歩前に進む姿は実に力強いものです。我々の諏訪東京理科大学も、教職員と学生諸君が共に力を合わせて1歩1歩力強く前進して行く年にしたいと思います。